てぃーだブログ › The Herb of Ryukyu

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2013年07月21日

ヤマクニブー_02 懐かしい記憶の香り



この時期、沖縄の市場で
吊るされた姿を見かけるヤマクニブー。

和名をモロコシソウといい、
衣類の防虫・芳香のために
琉球時代から利用されてきた
サクラソウ科の草です。


[ヤマクニブー]

温度湿度といった日々の環境変化により
時には甘く、時にはスパイシーな、
独特の香りを放ちます。

琉球王国の女官達にも愛されてきたと伝わる
ヤマクニブーですが、文献資料はわずかしかなく、
成分はじめ解明されていない点が数多くあります。

一説によると、
お香の原料にもなっている生薬
「零陵香」はヤマクニブーではないかと
言われています。(※注1)
「零陵香」は、中国湖南省零陵区を原産とする
サクラソウ科の植物で、黄色い花をつけた姿は
確かにヤマクニブーとよく似ています。
現地では線香の原料で広く使われているほか、
スパイスとして食されることもあるそうです。


[零陵香]

1年のうち夏の2か月ほどしか
市場に出回らないことや
栽培家が少なくなったこともあり、
年々希少性が高まっていますが、香りを嗅げば、
おばあちゃんの箪笥から漂っていたことを
景色と共に思い出し、
ほっと懐かしさと感じると答える人も多いです。

沖縄ののんびりとした生活の記憶を持った
甘く懐かしい香りです。

(※1)
「ヤマクニブー」と「零陵香」については、
同種とすると確証された資料が
見つかりませんでしたので
あくまでも憶測見解とさせていただきます。

●山九年母(ヤマクニブー、ヤマクネンボ)
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和名:唐土草
学名:Lysimachia sikokiana
科:サクラソウ科オカトラノオ属
生息地:日本(沖縄~関東地方南部)、
暖地の山地や海岸付近に自生。
開花時期:6~8月。
20~50㎝程の多年草。
葉のわきから花茎を伸ばし、
黄色い花を下向きにつける。
実は球形で灰白色。
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出典:

◎ウチナー紀聞
http://www.uchina-kibun.com/archives/index.php?itemid=1045

◎多様性生物希少標本ネットワーク
http://hyouhon.jp/html/event15r-2.html

◎Weblio辞書「零陵香」
http://www.weblio.jp/content/%E9%9B%B6%E9%99%B5%E9%A6%99

◎鳩居堂「お香の原料辞典」
http://www.kyukyodo.co.jp/product/incense/materials.html

◎山田香木堂「薬種・香原料」
http://www.yamadamatsu.co.jp/material/kougenryo.html

◎磐田市香の博物館「和香の灯り展」
http://www.iwata-kaori.jp/gallery_image/akari/akari_03.html

◎39world.com
http://www.39world.com/zyphoto/09135D320075683.html

◎中国壮医药在线「灵香草」
http://www.zgzyzx.cn/bencandy.php?fid-23-id-3170-page-1.htm

◎中国香文化
http://www.xiangwenhua.org/index.php?_m=mod_article&_a=article_content&article_id=1241

※「灵香草」の画像は、中国香文化よりお借りしています。

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